只見線の秘境駅をめぐる
JR只見線は、福島県の「会津若松駅」から新潟県の「小出駅」を結ぶ全長約135kmのローカル線です。
地元の方々にとって貴重な交通機関であり、顔なじみ同士の交流の場にもなっています。
「平成28年鉄道コム×旅と鉄道共同企画 好きなJRローカル線ランキング 第1位」、「平成28年日経プラスワン何でもランキング 鉄道橋ランキング 只見川第一橋梁 第3位」を受賞。
また、中国のSNSで「福島の只見線は世界で最もロマンチックな鉄道」と絶賛され、外国人観光客が多く訪れるようになりました。
会津若松市(会津若松駅、七日町駅、西若松駅、会津本郷駅)
会津の玄関口といえば「会津若松駅」。白虎隊の像がお出迎えしてくれます。
「七日町駅」は、昭和9年に開業しました。七日町通りはおしゃれなカフェや老舗の漆器店、会津木綿や会津の銘菓などのお店が立ち並び、土日となると観光客で賑わっています。
「西若松駅」は、会津鉄道とJR東日本が乗り入れる共同使用駅です。「浅草」から「東武鉄道」「野岩鉄道」「会津鉄道」を利用して、絶景を楽しみながら「会津」へ入る旅行ルートは、マニアの間でリピーターが増えています。
「会津本郷駅」のある瀬戸町は、「会津本郷焼」の13の窯元が点在しています。毎年8月の第1日曜日に、「会津本郷焼せと市」が開催され、多くのファンで賑わいを見せます。
(撮影日:2019年8月1日)
会津若松駅
七日町駅
西若松駅
会津本郷駅
会津美里町(会津高田駅、根岸駅、新鶴駅)
会津美里町は、会津の総鎮守として2,000年の歴史がある「伊佐須美神社」、会津で最も古い天台宗の名刹で会津三十三観音の29番札所「法用寺」、会津三十三観音第21番札所「左下り観音」があります。最近では国際線のファーストクラスにも採用された美酒「新鶴ワイン」の生産地として有名です。
夏季は、広大な田園風景の中、飯豊山をバックに、緑の絨毯の上を走る電車を見ることができます。地元の方々、高校生の生活路線として重宝されています。
(撮影日:2019年8月1日)
会津高田駅
根岸駅
新鶴駅
●会津坂下町(若宮駅、会津坂下駅、塔寺駅、会津坂本駅)
会津坂下町は、米どころとして知られています。米が美味しいと、お酒もおいしいということで、地酒も有名です。
「会津坂本駅」の駅舎は、使われなくなった貨車を再利用したものです。鉄道ファンの間では、車輪を外してとどまる姿がダルマを連想させることから、「ダルマ駅」と呼ぶそうです。
(撮影日:2019年8月1日)
若宮駅
会津坂下駅
塔寺駅
会津坂本駅
●柳津町(会津柳津駅、郷戸駅、滝谷駅)
柳津町は只見川沿いの「柳津温泉」、滝谷川沿いの「西山温泉」と温泉の宝庫。そして日本三大虚空蔵のひとつ「福満虚空藏菩薩圓藏寺」があります。また「赤べこ発祥の地」として有名です。
「会津柳津駅」は当時活躍したSL「C11244型」があり一見の価値があります。東北の駅百選にも選ばれ、ホームは時間が止まったかのような不思議な雰囲気を醸し出しています。
(撮影日:2019年8月1日)
会津柳津駅
郷戸駅
滝谷駅
●三島町(会津桧原駅、会津西方駅、会津宮下駅、早戸駅)
会津桧原から会津西方間に架かる「只見川第一橋梁」は、絶好の撮影ポイントとして知られています。四季折々、カメラ好きの観光客で賑わいを見せます。
三島町は、風情豊かな「只見川の霧幻峡の渡し」や工芸品の「会津桐」「奥会津編み組細工」でも有名です。
(撮影日:2019年8月1日)
会津桧原駅
会津西方駅
会津宮下駅
早戸駅
只見川第一橋梁(2018年秋に撮影)
●金山町(会津水沼駅、会津中川駅、会津川口駅)
金山町のシンボル「沼沢湖」や「大塩天然炭酸水」そして「七つの温泉地をもった温泉王国」で有名です。東北の駅百選にも選ばれた「会津川口駅」のホームのすぐ横は、只見川が流れ、その雄大な景色に見入ってしまいました。
(撮影日:2019年7月30日、8月1日)
会津水沼駅
会津中川駅
会津川口駅
終わりに
2011年7月の新潟・福島豪雨災害が発生し、被害が大きかった会津川口駅と只見駅間が不通となり、8年が過ぎました。現在は代行バスでの輸送が続いていますが、地元の方々の熱い思いと只見線の根強いファンの気持ちが実を結び、2021年度中に全線開通が決まりました!
まだまだ奥が深い只見線沿線。皆さんもぜひ、只見線を利用してお出かけしてみてはいかがでしょうか。